Q:刷毛の起源

A:刷毛の類は、物を塗ったり、撫でたりする必要性が生じたとき、自然発生的に作られたものと考えられますが、 漆塗りの起源を考えると、2300年程前より存在したと考えられます。但し、刷毛製造を業とする者がいつ頃現れたのかというと、 (平凡社代百科事典調べ)刷毛屋として元禄年間に江戸日本橋に紺屋、小舟町に関口弥兵衛などがあったと言う事が書いてあるので、 少なくとも200年前からあったと推測されます。もともと刷毛製作を営む人は、仏像とか漆工芸の発達に伴って出現してきたので、先ず 京都、大阪、奈良といった関西方面で、次に文化の中心地であった江戸(東京)で、生産されていきました。

Q:愛知の刷毛の起源

A:愛知における刷毛生産の起源は、大正7年のことです。山崎さんという方が秘伝の技術と言われる刷毛製造を大阪で習得し、 愛知へ持ってきたのが最初であり、それが戦後大きく愛知に根付いた理由は、戦後の農村の若者達の労働力の利用に他なりません。

Q:刷毛とブラシ区別

A:一口に「ハケ・ブラシ」と言われることもありますが、刷毛と刷子(ブラシ)とは明らかに異なるものです。 板を割って毛をはさみ、針金又は糸で綴じたもの(和刷毛)或いは、金具で巻いて鋲で締めたもの(洋刷毛)で、主としてものを塗るのに 用いるのが刷毛と呼ばれるものです。それに対し、木、その他の台に孔を明け、その孔に毛を植えたもので、用途として払う、磨くというように使われるものです。

Q:刷毛の種類

A:刷毛の種類としてはおよそ1200〜1300種と言われています。 そのうち「塗装用」と言われるものが1000種、但し、各社の職人によりそれなりの秘伝の技術配合があるにで、その数は数万種類を数えます。 しかしながら、刷毛には大きく二つの流れに大別されます。 一つは画刷毛、糊刷毛、張物刷毛、漆刷毛と呼ばれるもので、中国の連筆から日本人の手により考案された独特のもの(和刷毛)であり、 もう一つは、江戸時代末期に外国領事館が置かれるようになると共に、ペンキという油性の新しい塗料と共に日本に持ち込まれたもの(洋刷毛)です。 このように大きく分けると二つの流れがあるわけですが、昭和40年代前半にこの二つの流れの融合が図られました。 それが、「アポロ刷毛」と呼ばれるもので、金具に毛を入れたものを木板ではさんで、洋刷毛の良さを生かしつつ、和刷毛の使いやすさを利用したものです。 (沿革コーナー参照)

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